開発コンセプト
「どこでも水やりおまかせ型立体花壇」
- 設置場所を効率的に活用するため、花を立体的に配置できる。
- 水をタンクなどに貯めて水道から独立する。
- 自動で水やりが行える。
- 追肥が容易に行える。
- ローコストでローメンテナンスに設置、維持管理が出来る。
葛飾区は、青木区長が街を花で飾ることに熱心で『かつしか花いっぱいのまちづくり』という活動をおこなっています。
その推進協議会のメンバーのお一人から『海外では、町中にきれいな花が植えられた円筒状のモニュメントが置かれていた。ただ水やりは人手で行っているようだった。サンエーさんお得意の水設備を工夫して、自動水やりができる花タワーが作れないだろうか。』と相談されたのです。
弊社は雨水をためる『ミニダム』を製作・販売しており、かつしか異業種交流会において、災害時の利用など、ミニダムの様々な活用方法を提案してまいりましたので、お声掛け頂いたのだと思います。
『ミニダム』の始まりは、阪神淡路大震災の時、家が燃えているのに断水でどうすることもできない状況をテレビで見たことです。昔なら家々の前に防火用水がためてありましたが今はありません。それに代わるものがあれば、災害の時役立つのではないかと思ったのです。
異業種交流会で雨水の利用を提案し、開発に携わりました。出来上がったものは、雨どいから取水してため、平常時には庭の水まきなども使え、浄化すれば飲み水にもなります。
その経験がフラワーメリーゴーランドの開発にもつながり、産・学・官・民による『自動制御水やり立体型花壇』のプロジェクトチームが立ち上がりました。
産：モノ作りが大好きな異業種集団が集まり、知恵と工夫を出し合いました。花のタワーの中に水をため、自動で花に水やりをする。そのための動力は太陽光発電パネルを取り付けてそこから電力を得る。次々にアイデアが出され、初期から7回もの改良を重ね現在の形になりました。
学：都立農産高校の学生さんたちが、実証実験を行ってくださいました。肥料は何をどれくらいやればいいのか、日照時間と植物の関係はどうか、授業の一環として細かいデータを積み重ね、製品改良に役立たせてくださいました。『フラワーメリーゴーランド』という名前をつけたのも学生さんたちです。また、千葉大学や東京理科大のご協力も頂きました。
官：このプロジェクトの事務局は、葛飾区環境課に置かれました。花づくりに熱心な葛飾区ならではのバックアップが得られました。
これらの課題を解決するためローコスト、ローメンテナンスな新たな展開方法を検討し具体化しました。
民：葛飾区には、花を愛する区民の団体がたくさんあります。そうした方々がボランティアとして、花がらつみなどの手入れを継続して行ってくださっています。普通の花壇では、かがんで作業をするのは腰にかなりの負担がかかりますが、フラワーメリーゴーランドは、立ったままで作業ができ、体が楽だと喜んでいただいています。
こうして多くの人にご支援を頂いてフラワーメリーゴーランドは誕生しました。
フラワーメリーゴーランドは、高さ188cm、直径90cmの円筒型花壇で、まわりに104個のポットの花を植えることができます。
一つ一つのポットが独立していますので、どれか傷んでも簡単に取り換えることができます。
円筒の中は、200ℓの水をたくわえることができる貯水タンクになっており、タイマーでセットした時間に、まわりの花に自動で水やりします。
その動力はてっぺんに設置した太陽光パネルからの電力です。200ℓの水があれば、タンクへの給水は月に1回か2回で済みます。
電気工事も水道の配管工事もいらず設備費用が安くすみます。メンテナンスに費用も人手もかからないのは大きなメリットです。
そして、360度回転しますので、どの花にも日が当たります。改良を重ね女性でも楽に回すことができるようになりました。
●２０１２年度 雨水タンク『ミニダム』葛飾ブランド認定受賞。
●２０１７年３月 フラワーメリーゴーランド試作機完成。
●かつしか花いっぱいのまちづくり
推進協議会内にプロジェクトチームを設置
●２０１７年４月 葛飾区役所とプロジェクトメンバーの都立農産高校で実証試験の後、区内各所へ葛飾区緑化推進協力員と花いっぱいサポーターによる植栽管理により設置場所を拡大。
●２０１８年１月 改良を重ねたプロトタイプの耐久性、信頼性を高めた【基本仕様】を開発し、運用面での検証へと進む。
●２０１９年５月 一般予約販売開始
●２０１９年６月 「自動灌水式立体的植栽装置」として特許取得。
●２０１９年度 フラワーメリーゴーランドが葛飾ブランド「葛飾町工場物語」に認定受賞。
